末端のクソブログ

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2018.11.29

 帰りに駅からでるとぽつぽつと雨が降っています。季節がらでしょう。冷たくもありますが自転車で帰るのには差し支えのない程度の雨です。そんな雨だったのです。

 

 その直後、雨は2コマ漫画のごとき展開の早さで激しくなりました。その勢いたるや打たれる度にケンシロウのような傷ができてもおかしくないと思わせるほどに強く、またその中を自転車で駆けなければならない僕の不運さ、理不尽さ、やりきれなさについに発狂しました。喉を絞って吠えたのです。

 

 その瞬間、光の柱が立ちました。僕を中心として立ったその柱は天まで届き、雨を、雲を割りました。まるで十戒のワンシーンのように雨雲は二つに割れ、去ってゆき、その奥には青空が覗きました。雨宿りしていた鳥たちは歓喜を表すかのように鳴きながら僕の周りを飛び、またある鳥は僕の肩に止まりました。そう、世界の秩序を統べる者に感謝を捧げるかのように。

 

そんな妄想を胸に大雨の中、僕は急ぎで屋根のある公衆トイレに入りました。その瞬間、蛍光灯の光が点滅しました。虫がどこからか無感情に湧いて出てきて羽音を鳴らしながら僕の周りを飛び、またある虫は僕の肩に止まりました。そう、すべての汚物を集めし排泄物に群がる蝿のように。