皆さん、こんばんは。
実は最近「Typeless」という音声入力ツールを導入しまして、これを使えば日記も楽に書けるんじゃないかと思って入力しています。
普段僕の日記を見ている人ならわかると思うんですが、僕の日記には奇声とか頭のおかしい言動とかが目立ちますよね。これは確かに否定のしようがないことです。でもよく考えてみてください。普通の人間が、そんな奇声や言動を実際に口に出して行うはずがないじゃないですか。
そういう意味で「Typeless」というのは、ある種、僕の行動をまともにし、僕の言動を規制・強制する「猿(さる)ぐつわ」のようなものなのかもしれませんね。
そんなわけで、今日はこのアプリを使っていっぱい生産的な行動をしようと思っていたんです。ところが、何回やってもAI君が僕の言うことを聞いてくれなくて、そんなこんなで僕は発狂して……おっと失礼。なんて苦しみを現世に産み落としていたわけですか。
せめて他人の目によって自分の形を再定義して正気を取り戻そうと思い、近所のココスへ肉でも食いに行こうということで、夕食は外食にしました。
今日はがっつり行きたかったので、ハンバーグを注文し、ワインもデキャンタで頼んだわけです。最近、ワインをテイスティングするアニメを見て、ワインには一言ある僕ですが、このワインを揺らしたり光に透かしたりして、たっぷりと味わっていました。
ふと見渡すと、隣も向かいも家族連れ。今日は雨で人が少なかったせいか、何だかすごく広い席に案内されてしまったのですが、周りはみんな家族で来ている。そんな中、僕は一人で600円のデキャンタ赤ワインを光に透かして……。
と、そんな後ろ向きじゃいけませんよね。
せっかくハンバーグを食べに来ているんですから、これを楽しまなきゃ損というものです。
まずこのハンバーグと、赤ワインを交互に口にする。
まあ庶民とは言え、それなりの贅沢と言えるのではないでしょうか。
こうした一人の食事というものは、周りの目を気にせずに自分の世界へ入っていくことこそが醍醐味です。
鉄板に乗ったハンバーグを切り分けて口に運び、残った後味に赤ワインを重ねる。
決して値段の問題ではなく、こういった幸せこそが僕の求めていたものなのかもしれません。
ふー、いっぱい食べました。
しかし、これでは終わりません。
僕はメニューを開き、「さあ、今度はワインに合わせてパスタでも」と思ったのですが……。
まあいいじゃないですか、パスタは今度でも。
チキンステーキが600円ですし、タンパク質もありますから。
メニューにも健康に良いといろいろ書いてありますので、こちらをいただくことにしましょう。
さあ、チキンステーキがやってきました。
ここで僕は、さっきのハンバーグで残っていたソースをチキンステーキの周りに並べます。
この机の周りは、全部僕のものというわけです。
これを食べて、ワインを飲んで。
気づいたら隣の家族連れも退席していました。
周りに誰もいなくなった店内で、僕はふと考えます。
「なんで家族連れより僕の方が食べるのに時間がかかっているんだろう」
「一人なのだから、そそくさと行動すればいいのに。なぜ無駄に店員の時間を奪っているんだろう」
「というか一人なのに、100円や200円をケチって、食いたいものから別のものに変えるだなんて……」
などとは一切思っていません。
チキンステーキを全部平らげ、最後にいわしのマリネをいただく。
これこそが一人の幸福、「孤独のグルメ」といったところではないでしょうか。
さて、ワインも尽きたことですし、そろそろ帰宅としましょうか。
しかし、タイプレスというのも、なかなか性能のいい音声入力と言えるでしょう。この雑音の混じったココス店内でさえも、僕の声を拾って文字に起こしてくれるというのは、確かにその性能に一目を置かざるを得ないところがあります。
こうやって喋るだけで文字を打てるという点。これは確かに、家族連れのいるココス店内でスマホに向かってブツブツ喋っている「恥レス」である僕との相性は抜群と言えるでしょう。
それでは僕は、これからこの音声入力AI「Typeless」を積極的に活用し、池袋のど真ん中とかでブツブツ喋りながら奇声を上げますが、そんな僕を見たらそっと石を投げてあげてください。
あと、Typelessさんは、僕が勇気を出して家族連れの隣で発した奇声を雑音扱いして、文字起こししないのはやめてくださいね。
それでは皆さん、おやすみなさい。

